煎本孝 2007「人類学的アプローチによる心の社会性」『集団生活の論理と実践−互恵性を巡る心理学および人類学的検討』煎本孝・高橋伸幸・山岸俊男(編著)札幌、北海道大学出版会

目次

まえがき

第I部 心の社会性への2つのアプローチ

 第1章 人類学的アプローチによる心の社会性(煎本孝)
  1.はじめに
  2.人類学とフィールドワーク
  3.初原的同一性
   3-1.2つの社会―超自然的社会と人間社会
   3-2.初原的同一性―二元性と同一性
  4.互酬性の認識
   4-1.狩猟における互酬性の認識
   4-2.互酬性と狩猟の行動戦略
   4-3.遊牧における互酬性の認識
  5.社会規範と互酬性
  6.おわりに
 第2章 人間社会の特徴としての社会的交換(高橋伸幸)
  1.はじめに
  2.限定交換における資源提供
  3.一般交換成立の仕組み
   3-1.鎖状一般交換
   3-2.集団一般交換
   3-3.純一般交換
    3-3-1.純一般交換に関する理論研究
    3-3-2.純一般交換成立の実証的検討
  4.おわりに

第II部 心の実験とフィールドワーク

 第3章 小型沿岸捕鯨社会の規範と捕鯨者の心(山口未花子)
  1.はじめに
  2.対象と方法
  3.捕鯨船の規範
  4.捕鯨船Aにおける活動の規範
  5.規範からの逸脱
  6.おわりに
 第4章 文化と心の相互関係―鍛冶屋利用者の利用習慣によって形成されるビシュヌプルと秋田の鍛冶屋の心の相違(齋藤貴之)
  1.はじめに
  2.背景
  3.多くの共通点と心の相違
   3-1.ビシュヌプルの鍛冶屋と秋田の鍛冶屋
   3-2.心の相違
   3-3.仮説の提起とその検証
  4.利用習慣の間に見られる相違
  5.心の相違との関連性
  6.おわりに
 第5章 西シベリア地域の通過儀礼・変化・集団維持機能(木村美希)
  1.はじめに
  2.出産や誕生に関する儀礼
  3.結婚に関する儀礼
  4.死者に関する儀礼
  5.おわりに
 第6章 生活におけるオシラサマの祭―集団の活動と凝集性(上原周子)
  1.はじめに
  2.オシラサマ信仰について
  3.調査地下北地方と信仰の現状
  4.大畑町A集落におけるオシラサマの祭
   4-1.集落位置および規模
   4-2.歴史および生活背景
   4-3.A集落のオシラサマ信仰および現状
   4-4.オシラサマの祭の分析・考察
   4-5.集落の祭事活動におけるオシラサマの祭の位置
   4-6.オヤグマキの範囲とその活動
  5.おわりに
 第7章 実験で見る心と文化―相互作用と心の文化差(仲間大輔)
  1.はじめに
  2.比較文化研究の代表的知見
   2-1.自己
   2-2.社会的推論
   2-3.カテゴリー化
   2-4.注意配分
  3.社会環境要因の視座
   3-1.文化プライミング
   3-2.文化的アフォーダンス
   3-3.ゲーム論的アプローチ
  4.おわりに
 第8章 包括的認知の発生メカニズムに関する実験研究(鈴木直人
  1.はじめに
  2.包括的認知
  3.包括的認知の起源に関するNisbettの理論
  4.文化プライミング実験
  5.社会的適応の観点による包括的認知の道具的機能
  6.実証研究
   6-1.概要
   6-2.カテゴリー化課題
   6-3.帰属課題
   6-4.表情判断課題
  7.実験結果
  8.おわりに
 第9章 日本人の集団主義を支える制度と心―心理学実験による検討(竹村幸祐)
  1.はじめに
  2.日本人の集団主義的価値観についての研究
  3.日本人の集団主義的行動と集団内監視・制裁システム
  4.日本人の適応方略―集団内監視を仮定する心
  5.おわりに

第III部 人類学的アプローチと社会心理学的アプローチの接合に向けて

 第10章 討論―心のしくみ解明のためにフィールド研究と実験研究で協力できることは?
 (山口未花子・齋藤貴之・木村美希・上原周子・仲間大輔・鈴木直人・竹村幸祐)
 第11章 「心の社会性」解明に向けて(山岸俊男
  1.心理学と人類学との蜜月時代
  2.社会科学の新しい潮流
  3.文化心理学
  4.自己維持的システムを構成する要素としての社会性
  5.文化心理学,自然と文化の人類学,ゲーム理論
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